以前の記事で、6つの係数を「一括か毎年か」「将来を知りたいか今を知りたいか」で分類して覚える方法を紹介しました。今回は、それよりもう一歩踏み込んだ、少し尖った考え方を紹介します。結論から言うと、私は6つの係数の「名前」と「意味」を、そもそも対応させて覚えていませんでした。
「名前を覚える」を、最初から捨てた理由
もし試験で「これは何という係数ですか?」とストレートに名前を問われる問題が出るなら、名前の暗記は避けて通れません。しかし実際の問題の多くは、そういう聞かれ方をしません。ほとんどは、「〇〇な状況のとき、元手はいくら必要か」「将来いくらになるか」という、具体的な状況を計算させる問題です。つまり、名前を答える必要はなく、状況を正しく理解して数字を出せればいい、ということです。
だったら、名前と意味を一生懸命ペアで暗記する労力は、思い切って省略してしまおう、というのがこの考え方の出発点です。
代わりに使っていた、たった1つのルール
係数の名前の代わりに使っていたのは、次の手順だけです。
- 複利を無視した単純計算(掛け算・割り算だけ)で、ざっくり概算を出す
- 求めたい答えが「将来受け取る・得られる」側の数字なら、運用の効果で概算より少し多くなる
- 求めたい答えが「今・毎年用意する・払う」側の数字なら、運用の効果で概算より少し少なくて済む
お金を運用するというのは、要するに「お金を働かせて増やす」ことです。だから、将来もらう・使う側の数字は増える方向に、今・毎年払う側の数字は減る方向(少なくて済む方向)に必ず補正がかかります。この1つの感覚だけで、6つの係数すべてに対応できます。
3つとも、係数の名前(現価係数、資本回収係数、年金終価係数)を一切使わずに、「単純計算→将来側か今側かを判断→増減の方向を補正」という同じ手順だけで説明できています。
正直、6つの名前を全部きれいに覚えるのが苦手だったので、この考え方に落ち着きました。人によって合う・合わないはあると思いますが、「名前の暗記でつまずいている」という人には、こういう抜け道もある、という参考にしてもらえればと思います。
まとめ:暗記が苦手なら、状況理解で乗り切る道もある
6つの係数を名前とセットで覚えるのが王道ですが、それが苦手な人は、「状況の方向性」と「複利は増える方向に効く」という原則だけで、実践的に乗り切ることもできます。最終的な計算は係数表を使いますが、名前を暗記する負担そのものを減らせるという意味で、覚えることに苦手意識がある人には試す価値のある考え方だと思います。